一級建築士製図エスキスの動線計画

手順(4) 条件整理(動線計画)

このページでは、エスキスの手順(4)として、エスキス用紙に簡単な動線計画の図示を行い条件整理することを学びます。
機能図などの時間のかかる作業を省略し、簡単な図示をすることで代用できればエスキス時間の短縮が可能です


異種動線の分離は必須条件

動線計画で一番大切なことは、利用者動線とサービス動線が交差しないことです。
これをやってしまったら、減点が大きく、ランクⅢの可能性が高くなります。

利用者と管理者という人の流れが交差しないことはもちろんのこと、 物の流れ(搬入動線)も利用者と交差しないことが求められます。

動線計画の整理術

課題文から読み取れる重要な動線計画の条件をエスキス用紙に転記しましょう。
その転記方法は、文章よりも図示の方が効果的です。



指定がなくても搬入動線があるもの

課題に指定がある動線計画は分かりやすいです。
課題文に、「〇〇からの動線に配慮する」等の文言があれば、誰でも良く気を付けるでしょう。
そのような指定がなくても、レストランの厨房については、課題文に指定がなかったとしても、 サービス用駐車場からの搬入動線を確保する必要があります。


機能図は必要か?

学校や講師によっては、機能図とか全室リストとか言われるものをエスキス用紙で整理することを勧めてきます。
これは、製図初心者の人にとっては、大変効果的です。
ややこしい動線計画も、機能図を描くことによって、より確実に動線計画をたてることができます。
また、これにより室の漏れもおきにくいでしょう。

ただし、時間がかかってしまうのがデメリットです。
慣れないと、機能図を描くだけで20分くらい浪費してしまいます。

おすすめは、先ほど紹介した 部分的な動線情報のメモ程度に抑えておくことです。

厨房からの搬入動線

レストランがある場合、厨房で料理したものをレストランの客席に届けますが、 2015年の「高齢者向け集合住宅」の課題のときには、機能訓練室という室名の特記事項に、「食事はレストランの厨房で調理する」と明記されています。

つまり、厨房からの動線が2つあるので、図示しないと、訳が分からない状態に陥ります。
厨房からの動線が階をまたぐときは、サービス用エレベーター、もしくはダムウェーターを計画して、搬入経路の確保ができていることをアピールしましょう。

レストラン配置の考え方

毎年、どのような課題だとしても、レストランが要求室に入ってくる可能性はあります。
そのレストラン厨房への食材搬入については、サービス用駐車場の位置から考える必要があります。

そのため、ゾーニング上 管理ゾーンの中に厨房を配置し、隣接してレストラン客席を配置するのが望ましいですが、 レストランを管理ゾーン側に配置すると、プランニング上 厳しい場合は、管理ゾーンから切り離してかまいません
その場合は、厨房への搬入経路を確保するため、厨房に外部扉を追加しておきましょう

サービス用駐車場が2台要求されている場合は、管理ゾーン側に1台、レストラン厨房側に1台としておくと望ましいですが絶対ではありません。

まとめ

いかがでしたか?
このページでは、エスキスの手順(4)として、エスキス用紙に簡単な動線計画の図示を行い条件整理することを学びました。
最低限の図示であれば、時間短縮が可能です。明日から実践してみましょう。

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