一級建築士設計製図の計画の要点

計画の要点の傾向と対策

「計画の要点」で問われていることは、出題者が興味があるところです。 記述で答えるだけでなく、図面にも表現しなければならない大切な内容となります。
「計画の要点」=「採点上の最重要項目」と言っても過言ではありません。

そのため、課題の読み取りにおいても、最後に書いてあるから最後に読むのではなく、最初の方に読んでおくと、課題で求められていることが掴みやすくてオススメです。

また、エスキス中に、計画の要点の内容を置き去りにされてしまうことが無いよう、計画の要点で何を書くかも念頭に入れてエスキスを進めましょう。


建築計画

建築計画の記述で一番多く出題されているのは、具体的な室の「その位置とした理由及び動線計画において工夫したこと」という問題です。 一見すると、課題ごとに書くことが違うため、事前の準備が難しいように感じる方もいるかもしれませんが、ある程度、答えるパターンを決めておけば、スムーズに書けるようになります。

また、近年増えているのが、コンセプトルームに代表されるような「提案型」の記述です。 これも、対策が難しいように感じるかもしれませんが、ちょっとしたコツを掴めば、いろいろ書けるようになります。

さらに、動線計画については、利用者、自動車、搬入経路など、その年の課題の特色に応じて、必ずといっていいほど出題が多い内容です。

2013年、2014年の2年連続で、「勾配屋根の形状を活かした室内空間とするために工夫したこと 」という出題があります。 
もし勾配屋根の可能性がある加太の場合は要注意の記述問題となります。




































2009                
2010                
2011                  
2012                
2013                  
2014                
2015              
2016                
2017                  
2018              

構造計画

構造計画の記述で一番多く出題されているのは、「建築物に採用した構造種別、架構形式及びスパン割とこれらを 採用した理由」です。
これは、ほぼ毎年出題されており、毎年同じ文言が使えるので、記憶しておきましょう。

近年になってほぼ出題されているのが、柱、大梁、小梁、スラブの部材断面寸法を具体的に記入する問題で、特に大空間として出題されます。
これもあらかじめ準備できるので、記憶しておきましょう。

また、2016年以降、基礎構造の知識が問われるようになりました。2016年は、杭が出題されることが予想されながら出題されませんでしたが、 いつ突然出題されてもおかしくありませんので、杭の記述も準備しておきましょう。
最近、地盤の液状化が社会問題化しており、世間の関心が高いので、「地盤の液状化対策」についての記述も準備しておくとよいでしょう。

さらに、勾配屋根が出題された2013年と2014年は、2年連続 勾配屋根の構造について記述で問われました。
勾配屋根が求められたときには、高頻度で勾配屋根の構造も記述で出題されるので、勾配屋根の可能性がある課題のときは準備が必要です。











































































2009                  
2010                  
2011                  
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2013                  
2014                  
2015              
2016            
2017              
2018            


設備計画

設備計画の記述で一番多く出題されているのは、空調の分野で、具体的には、「採用した空調方式とその採用理由」、「空調機の設置位置」「吹出口・吸込口の位置と理由」です。
これは、課題のテーマによって、単一ダクトやファンコイル等、望ましい空調設備は変わりますが、課題によっては、決めつけることができないので、時間がある人は、どの空調設備で指定されても良いように、いろいろ勉強しておいた方がよいです。
もし初受験で限られた時間で勝負する人は、1つだけでも完璧に記述できるようにしておいてください。

気を付けたいのが、「給湯設備」と「ろか設備」です。
これは、お湯をたくさん使うような浴室が施設や温水プールなどの施設があるときは要注意です。

また、「設備機器の維持管理及び機器の更新」に関する配慮も、たびたび出題されるので要注意な内容です。



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2009          
2010                
2011              
2012                  
2013            
2014            
2015        
2016                    
2017                
2018                  

環境負荷低減

下表では、いろいろな言葉で分けていますが、結局のところ、「自然採光」「自然換気」「日射遮蔽」の3つ、つまり「パッシブデザイン」が求められているということです。

「光熱費の抑制」、「省エネルギー効果」、「熱負荷の抑制」、「空調エネルギー削減」どれを答えるにしても、パッシブデザインが答えの一つになります。
近年は、これらを記述の解答用紙に、簡単なイラストを描かせて解答させるスタイルが定番化しています。



















調

























2009              
2010                  
2011                
2012              
2013            
2014                
2015                  
2016        
2017                
2018              

災害時対応

2015年「市街地に建つデイサービス付き高齢者向け集合住宅」と、2011年「介護老人保健施設」のときに災害時に備えた設備設計の配慮を記述で問われました。
どちらも高齢者が関わる福祉施設です。
福祉施設が課題となった場合、災害時に備えた設備設計を、記述の備えとして必要になります。

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