一級建築士製図エスキス駐車場の配置テクニック

駐車場の配置テクニックまとめ

一級建築士製図試験において、駐車場の配置に迷うことはありませんか?
このページでは、駐車場の配置テクニックをまとめて紹介したいと思います。



駐車場の基本寸法

駐車スペースは、基本「(一般用P)2.5m×5m」、「(車椅子使用者用HP)3.5m×5m」を確保してください。
サービス用駐車場は、一般用と同じで2.5m×5mでOKです。
多台数などで、どうしても2.5mの駐車スペースが確保できない場合は、2.3mまで小さくすることができます。



駐車場の配置パターン

対面駐車」は、向かい合わせに駐車スペースを取り、間に車路を設けるタイプで、一番基本的で最初に検討すべき配置パターンです。
「車路寸法」は、駐車場の奥行寸法と同じ寸法の確保が必要で、普通車の場合、5m必要です。
マイクロバスなど、3.5m×7.5mの駐車スペースを要求された場合、 車路幅は7.5m必要となります。
また、主出入口から遠い側の駐車スペースから、出入口までの敷地内通路を最低芯々2m、可能なら2.5m確保しましょう。
また、可能であれば、車椅子使用者用駐車場の配置を、一番出入口から近い位置として、バリアフリーに配慮していることをアピールできると良いでしょう。



並列駐車」は、車路の片側に、駐車スペースを並べるタイプです。
駐車スペースから主出入口までは、車路を通ることになっても問題ありません。



へりあき寸法

駐車場1台の場合、駐車スペースを主出入口側に配置することで、Pは3m、HPは4m確保すれば大丈夫です。
駐車スペースの裏から抜けれれば駐車スペースと建物の間に敷地内通路は不要です。
そのため、駐車スペースの後ろに植栽を描くと、敷地内通路が別で必要となり、へりあき寸法が余分に必要となります。

対面駐車でHPが2台の場合、敷地内通路芯々2mと柱0.8mの半分0.4mを考慮して、へりあきは6m(3.5m+2m+0.4m=5.9m)が望ましいです。

どうしても6m確保できない場合、5mでもギリギリ大丈夫です。
総合資格等の予備校では、望ましい寸法である6m確保を指導されますが、平成24年の「地域図書館」の標準解答例や、平成26年の「道の駅」の沖縄会場の標準解答例は、へりあき5mしかありませんので、へりあき5mで設計しても大減点ということはないと思います。



利用者用はまとめて配置する

駐車場は、大まかに分類すると、利用者用とサービス用がありますが、利用者用の駐車場は、分かりやすさに配慮して、なるべく 1ヵ所にまとめて計画しましょう

しかし、平成22年「小都市に建つ美術館」の標準解答例2は、2台まとめて配置するスペースがないため、分散配置しています。

なるべくまとめて計画したいですが、あくまで建物内部の計画を優先して、無理そうであれば分散させても良いでしょう。多少の減点はあると思います。



サービス用が2台のとき

サービス用駐車場が2台指定される場合がよくあります。
サービス用の場合は、まとめても分散させても、どちらでもかまいません。
管理ゾーン内にレストラン厨房などのサービス駐車場からの搬入動線が確保できる場合は、管理ゾーンの通用口近くにまとめて計画するのが良いでしょう。

もし、レストランを管理ゾーンから遠いところに計画する必要がある場合、管理ゾーンと、レストラン厨房付近とに分離してサービス用駐車場を、それぞれ計画するのは良い作戦だと思います。日建学院の解答例で良く見かけます。

串ざし駐車

予備校では、利用者用駐車場は、串刺し駐車はやってはいけません。 と教えられることが多いです。
しかし、平成25年「大学のセミナーハウス」の標準解答例1は、串刺し駐車っぽくなっていますが、道路で切り返して、後ろから駐車場に突っ込む感じになっています。
植栽を削れば、普通に敷地内に車路を設けた駐車場が計画できるのに、標準解答例で、この駐車方法を示したのは、この停め方でもOKという試験元のメッセージだろうか。
積極的にやらない方が良いが、敷地のへりあきが確保できない場合は、やっても良いでしょう。 多少の減点はあるかもしれません。

サービス用駐車場は、串刺しでも問題ありません。標準解答例でも、予備校の解答例でも良く見かけます。



ピロティ駐車場

建物内部の計画が優先されるべきなので、へりあき寸法が確保できない場合は、ピロティ駐車場としてください。
その際、駐車できるスペースは、柱の大きさ(800mm 等)を引いた寸法となることに注意してください

例えば、7mスパンに、HP2台はギリギリ入りそうですが、柱を考慮すると、7m-0.8m=6.2mしかスペースがなく入りません。

また、課題によっては、ピロティを駐車スペースとして使用した場合は、床面積に算入する必要があるので注意してください。



まとめ

いかがでしたか?
このページでは、駐車場の配置テクニックをまとめて紹介しました。
一級建築士設計製図試験は、建物内部の計画が重視されますので、駐車場の計画は最悪、停めるスペースが確保されていれば大減点はありません。
いつでもこのページを見れるようブックマークにでも入れておいてくださいね(^^♪

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