一級建築士製図エスキス 複数の大空間の配置テクニック
近年の1級建築士製図製図試験においては、大空間の設計が重要視されているように感じます。
1つの大空間だけでも配置に苦労するのに、2つの大空間が出題されたら、その配置を間違えただけで不合格まっしぐらです。
このページでは、エスキスにおける大空間の配置テクニックについて学びます。
平成28年「子ども・子育て支援センター」の「プレイルーム」は、天井高6.5m以上で210㎡以上という大空間が出題されました。
平成30年「健康づくりのためのスポーツ施設」では、「温水プール室(約450㎡)」と「多目的スポーツ室(約200㎡)」という2つの大空間が出題され、この2室の配置で合否が分かれたと言っても過言ではありません。
過去問を見る限り、大空間が出題されたら、間違いなくエスキスのキーポイントになっているので、大空間の配置のテクニックを身に着けておくのは必須の技術になってきています。
平成30年のときのように、複数の大空間が出題されたらどうするか?
大空間というのは、2層にわたるので、上部の階にも影響を及ぼします。
最大のコツは、2つの大空間を配置しても、上階の空間が矩形になるように配置することです。
下図の左側は、大空間の設置階、及び上階が両方矩形になるので、エスキスがスムーズに進むと思いますが、右側は計画可能ですが、ちょっと難易度が高めになります。
3階に屋上庭園等の外部施設を設ける場合、その配置も含めて大空間の配置を検討する必要があります。
例えば、屋上庭園を考慮せずに、さきほどと同様に上階が矩形になるように、下図の案(1)の通りにしたとします。
そうすると、屋上庭園が日当たりの悪い北側の配置しか出来なくなってしまいます。
先に3階に計画する屋上庭園の位置を決めて、残りのスペースで、どうやったら矩形になるかを考えた下図の案(2)のようにするべきでしょう。
いかがでしたか?
このページでは、エスキスにおける大空間の配置テクニックについて学びました。
大空間が出題されてもエスキスが迷わないようになったかと思います。