一級建築士製図エスキス 適宜で計画する要求室

適宜で計画するその他必要と思われる室

一級建築士の出題元から出される標準解答例は2つあり、その2つを見比べることで、見えてくることがあります
1つは、標準解答例の2つ共に表現されていることは、重要な内容ということ
もう1つは、共通ではない内容で、重要ではない内容ということ。

中には、課題文に要求の記載がないのに、標準解答例の2つ共に、記載されているような部屋があります。
それらは日頃から気を付けておく必要があるので、このページを読んで学んでください。


職員用の更衣室

平成30年「健康づくりのためのスポーツ施設」の標準解答例1と2で共通して、適宜で計画された部屋があります。
それは、「職員用の更衣室」です。
利用者用としての更衣室は、「更衣室A」と「更衣室B」の2つ要求されており、それぞれ男女別なので、更衣室だけで4室計画することが求められていたので、職員用の更衣室を設ける発想は、なかなか生まれにくかったと思います。
例年、「職員の更衣及び休憩用のスペースも含む。」という特記事項がありますが、平成30年はありませんでした。

ちなみに、標準解答例1では、事務室内にロッカーと書いた2室を適宜で計画しております。
標準解答例2では、特記事項に要求があったインストラクター用の更衣スペースを、職員用の更衣スペースと兼用させる記載になっています。 
これは、かなり高等なテクニックだと思いますが、来年以降の課題でも参考になるテクニックだと思います。

職員用便所

職員用便所は、要求室にあったり、特記事項にあったり、一切指示がなかったりもしますが、必要なものだと思っておいてください。
スペースがない場合は、1m×2mで男女兼用でも良いので、職員用便所も1ヵ所計画してください。

また、利用者便所については、各階に設けることが必須です。できれば多機能便所も各階に計画してください。
また、上下足の履き替えがある場合は、上足と下足どちらのエリアでも利用者便所があれば望ましいです。

ラウンジ

平成30年「健康づくりのためのスポーツ施設」の標準解答例1と2で共通して、適宜で計画されたスペースとして、 「ラウンジ」と「自販機」があります。
標準解答例1では、1グリット(49㎡)使っており、そこから「桜並木の眺め」が見えることを図面の補足でアピールしています。

標準解答例2では、多目的スポーツ室の上部に位置しており、ガラス張りになっているため、多目的スポーツ室の様子が見学できるようになっており、利便性の良い計画となっています。

もし、空いたスペースがあれば、巨大な倉庫を作るのではなく、ラウンジのような利用者が休憩できるような空間を提案できれば印象が良いと思われます。


倉庫

近年、課題文に書かれていることが多いですが、書かれていなくても、倉庫収納といったものは、常識的に必要なものなので、小さくてもいいので各階に計画してください。

ゴミ置き場

これも課題文に書かれていることがほとんどですが、書かれていなくても必ず1ヵ所 「ゴミ置き場」を計画してください。
通用口付近の外か、建物内の管理ゾーン内でもかまいません。

受付カウンター

平成30年「健康づくりのためのスポーツ施設」の「トレーニングルーム」の特記事項は、「・各種トレーニングマシンを設置する。」の1行のみですが、標準解答例は、2つ共、専用の「受付」が存在します。
これは、常識的に考えて、トレーニングルームの出入口付近には受付カウンターが必要であり、図面にも表現してほしいという出題者の想いがあるものと思われます。

もし、事務室に「受付カウンター」の要求がなくても、自分で設定しないとダメでしょう。
今までの製図試験では、問題文の特記事項に「受付カウンター」をたくさん要求してきました。
その受付カウンターの位置が、その部屋を管理することができる位置に配置されているかが採点上のポイントだと言われていましたが、今後は、特記事項に書かれていなくても、自分で受付カウンターを適宜計画できるかが求められている可能性があります

まとめ

いかがでしたか?
一級建築士製図試験で、適宜で計画するその他必要と思われる室について学びました。
職員用便所、職員用更衣室等は、今後も要求室には記載がないことが予想されますので、忘れないようにエスキス段階で表現してください。
このページで紹介した内容をぜひ明日から活かしてください。

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