イオニア式

イオニア式

イオニア式

Ionic order
古代ギリシァ神殿建築の3種のオーダー(ドーリア式、コリント式、イオニア式)のうちの一つ。
ほっそりとした比例の軽快、かつ繊細なオーダーで、柱は柱礎の上にのり、柱身には通常20ないし24本ほどの溝彫りをもつが、アルカイク期では40~44本に達する例がある。
最も特徴的なのはその柱頭で渦巻を向い合せに,優雅なカーブの曲線でもって2つ連ねた形をしている。 その上に載るエンタブレイチュアの中間帯(フリーズ)には浮彫群像を付ける。
前5世紀以前の柱頭は2面にしか渦巻形がないが、後には4面付けた例もある。
一般に小さな神殿や建築内部に用いられるが、イオニア地方では大規模な神殿の例もある。ローマ時代には柱頭の2つの渦巻きを連結する曲線は直線になってしまって優雅さを失い、注礎の下には柱台(ペデスタル)が加えられた。

イオニア式が用いられた最初の事例は、紀元前570年頃にロイコス(Rhoikos)によって建設されたサモス島のヘラ神殿であるが、しばらくして地震による被害で壊れてしまったというが記録があまり残っていない。他にも古い事例として、エフェソスのアルテミス神殿もあるが資料がほとんどない。

ギリシャ建築のオーダー

・ドリス式・・・・エンタシス(膨らみ)をもつ
・イオニア式・・・渦巻き形の柱頭
・コリント式・・・植物の葉(アカンサスの葉)の柱頭


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