一級建築士製図の壁のスピードアップ作図法

第3段階 壁を早く作図するテクニック

第3段階で、前の工程で書いた壁補助線を元に、壁を書いていきます。
さらに、階段、EV、吹抜、屋根、庇、断面図の切断線もこの第3段階で書きます。
第3段階は、3階建の3平面の場合、まずは45分を目標で仕上げましょう。
2.5時間を目指すなら35分以内を目標としましょう。


壁補助線とは

壁補助線とは、内部の壁心に補助線を書いておき、建具の位置に目印を付けておきます。
建具の位置に目印というのは、開口部の真ん中に長い線、開口部の両サイド(壁との境目)に短い線を書いておくことです。
この建具の線は、補助線ではないので、濃く描いておきましょう。
この建具の位置に目印を付けるのは、総合資格独特の教え方で、日建学院では壁心の補助線のみで、建具の位置の目印を付けるように指導する人は少ないようですが 描いた方が製図初心者にはスムーズに作図ができると思います。

1平面づつ仕上げていく

3平面の場合、左上の平面図を最初に仕上げて、その次に右上の平面図を仕上げて、最後に左下の平面図を仕上げます。
2平面の場合、左上の平面図を最初に仕上げて、その次に左下の平面図を仕上げます。

外壁の製図スピードアップ裏技

壁の作図は、主に、外壁と内壁(内部の間仕切壁)がありますが、まずは外壁から作図します。
窓のないRC外壁部分は、太線の二重線で書き、窓は、中心に太線一本とし、RC外壁部分の二重線を延長する位置に細線を書きます。
この細線は、腰壁と垂れ壁の見え掛り線となります。 この細線を描かなくても、おそらく採点上減点にはならないと思います。そのためエスキスに時間がかかり、作図に時間がいつもよりも取れないという事態になった場合、省略してもよいと思います。これはちょっとした作図スピードアップの裏技です。
この細線を書く場合でも、早く外壁を作図する描く裏技があります。それは、最初に、外壁ラインに細線で二重線を全て入れておいて、次に窓と外壁の境目に線を入れます。その後、窓部分に一本線を太線で書き、最後にRC壁の二重線を書きます。


内壁の製図スピードアップ裏技

内壁作図の時間短縮のコツは、とにかく定規の動きを少なくすることです。
横線と縦線を交互に作図すると、三角定規を置いたりどけたりの繰り返しとなり、かなりの時間がロスになります。
まずは、横線を図面の上から順に書いていき、左上の図面の横線だけを完成させます。
その次に、ひたすら縦線を仕上げていきます。 この方法に切り替えるだけで、劇的にスピードアップが図れると思います。

階段の製図スピードアップ裏技

壁が全て完成したら、次に階段を全ての階に入れていきます。
慣れない最初の頃は、この階段の作図に苦手意識がある人が多いと思います。
なぜかというと、書き方が分からずに、手が止まってしまうからです。
階段は、7mスパン、6mスパンそれぞれで書き方が違いますし、階高が4mと5mでも違ってきます。
また、通常は折り返し階段としますが、直階段とした方がプラン上うまく納まるケースもあります。
さらに、屋外階段もちょっと表現方法が変わります。これらの階段のバリエーションに対して、全て描き方を覚えておかなくてはなりません。
階段作図のスピードアップは、隙間時間に単独で練習するのが良いと思います。
もし机に向かう時間が少ないなら、スマホに階段の写真を撮っておいて、ちょっとした合間にイメージトレーニングしても効果的です。

EVのかごは手書き

EVのかごは、丁寧にテンプレートで書く人が多いですが、できればフリーハンドで描く練習をしてください。
EVのかごだけであれば、テンプレートで書いてもそれほど時間はかかりませんが、その横とか後ろに書く、カウンターウェイトは定規やテンプレートを使うと時間のロスが大きいです。
3平面の場合、少なくともエレベーターは3つ書く必要がありますし、搬入動線用にEVが必要な場合、6個書くケースもあります。
エレベーターをフリーハンドで描くことによる時間短縮の効果は大きいです。
ただし、書き方については階段同様、覚えておく必要があるので単独で練習してください。

吹抜のPC梁は書くべき

吹抜部分は、1点鎖線でバツ印としますが、これは前工程の補助線のときに書いておいてもいいし、階段とEVの後でもかまいません。
このとき、2層にまたがる大空間の室の上部も吹抜になるので、忘れずに吹抜の表現としなければなりません。
このときに、もし大空間の中央の柱を抜いてプレストレストコンクリート梁(PC梁)を使用していたら、吹抜とセットで、表現しておくと構造設計の採点での加点が期待できます。 課題で大空間が問われていたら、たいてい構造設計の採点の1つに大空間の設計というものがあると思います。
その際、柱を飛ばして、長スパンの梁を使用することになった場合、このPC梁を平面図のどこにも表現されていなかったら、長スパンの梁をどう計画するつもりなのか採点者に伝わらない可能性があります。
もし記述でPC梁を使用することを書いていたら、採点者は図面との整合性を確認するために、平面図と断面図と梁伏図をそれぞれ確認すると思います。
梁伏図に表現できていればそれで大丈夫ですが、梁伏図がなければ、平面図に表現しないと、現場に伝えるべき重要な情報だけに、設計者としての資質が問われそうです。 考えすぎかもしれませんが、最悪の場合、図面と記述の不整合と言われて減点されても不思議ではありません

TLの位置に注意

最上階の平面図には、必ずトップライト(TL)を1個以上書いてください。
もし最上階に吹抜がある場合は、その上部は必ずトップライトを計画してください。
吹抜がなかったとしても、最上階の共用ホールの上部にトップライトを書いてください。
近年の一級建築士の設計製図試験においては、パッシブデザインが当たり前のように求められていますので、その1つとしてたいへん有効です。
他にも、庇、ライトシェルフ、鉛直ルーバー、水平ルーバー、屋上緑化、高木、Low-E複層ガラスなど いろいろありますが、 トップライトは断面図を描いたときに、パッシブデザインとして自然通風と自然採光の考慮された建物として採点者にアピールしやすいアイテムです。
そこでトップライトの描く位置に注意が必要です。 平面図だけでなく、断面図に表現するべきものなので、断面線の位置に1つはトップライトを描くように心がけてください

屋根と庇の描き漏れに注意

第3段階の最後に屋根と庇を表現しますが、これらの描き漏れが作図に慣れない頃に、多くの人に発生します。 屋根の描き漏れは作図表現上の欠陥で大減点、庇の描きモレは、利用者への配慮不足とパッシブデザインへの配慮不足となり減点となるでしょう。
屋根と庇は、後で書く人もいますが、重要なものなので、この早いタイミングで書く習慣をつけておいてください。

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