一級建築士の建築作品予想問題

真壁伝承館

設計者 渡邉眞理 木下庸子 新谷眞人
所在地 茨城県桜川市
施設概要 市民のための集会施設、多目的ホール、図書館、歴史資料館の入る多目的複合施設
受賞履歴 日本建築学会賞(2012年)
日本建築家協会賞(2012年)
グッドデザイン賞受賞(2012年)
公共建築賞優秀賞(2018年)
日本建築士会連合会賞入賞(2012年)
重要キーワード 住民参加のワークショップ、サンプリングとアセンブリー、歴史的な景観に調和する現代建築





真壁伝承館がある桜川市真壁地区は、江戸時代末期から昭和前期に渡る建造物が多く存在しており、 近年重要伝統的建造物群保存地区に選定された歴史的な景観が特徴的な街区である。
そんな歴史的な景観に調和する現代建築をどのようにして実現するかが大きな課題でした。

真壁伝承館は、市民のための集会施設、多目的ホール、図書館、歴史資料館の入る多目的複合施設です。

景観に合わせて市民とともに設計に組み込んでいく「サンプリングとアセンブリー」という設計手法を用い「建築と都市、建築と歴史、 作り手と使い手の間に連続性を質の高い建築空間を創造することに成功している」 と 評価されています。

設計者の設計組織ADHが採った「サンプリングとアセンブリー」という設計手法は、 真壁地区の複数の伝統的建築物の形状や大きさを詳細に調査・採寸(=サンプリング)し、 そこから得た建物から桜川市が今回の計画で求めている施設である集会施設、ホール、図書館、資料館といった機能に添うような形状や大きさを持つ建物を選択して、建設予定の敷地内に配置し組み合わせ(=アセンブリー)してゆくというものである。
設計組織ADHはこのアセンブリー作業を住民参加のワークショップで練り上げてゆくことを掲げ、この点がプロポーザルで大きく評価された。

構造形式は、「鉄板パネル付鉄骨ラーメン造」であり、外壁を鋼板パネルにすることで、自由な窓配置が可能となった一方、日射熱による温度上昇の問題があった。
これへの対処として鋼板パネルには白い遮熱塗料を塗る、東西南の壁を黒茶色の杉板の透かし張りで覆う等の施工がなされた。

スポンサード リンク