建築作品予想問題(歴史的建築物の保存・再生)

日本橋ダイヤビルディング

改修設計者 ㈱三菱地所設計、㈱竹中工務店
所在地 東京都中央区
施設概要 歴史的建造物「三菱倉庫江戸橋倉庫ビル」を特定街区制度を利用して改築・増築
受賞履歴 BCS賞(2017年)
BELCA賞(2017年)
JSCA賞(2017年)
日本免震構造協会賞(2017年)
重要キーワード 三菱倉庫江戸橋倉庫ビル、景観を継承し使い続ける、免震層のメガトラス、特定街区制度



 1930(昭和5)年に竣工した国内最初期の都市型倉庫であり、2007年に東京都選定歴史的建造物に指定された、 「三菱倉庫江戸橋倉庫ビル」の「景観を継承し使い続ける」ことをテーマにした一大リフォームプロジェクトである。
歴史的建築物の保存・再生の分野で、最近の事例としては一番有名で、数々の賞をかっさらっていった案件ですので、一級建築士の計画分野の建築作品の問題としては出題される可能背が高いと思われます。

「江戸橋倉庫ビル」の外観を保存・継承することによって特定街区制度での容積割り増しを取得し、 地上18階の高層ビルを建設し、新たなランドマークとして生まれ変わったのが、この「日本橋ダイヤビルディング」である。

創建当時の外観意匠が残り、内部空間も特徴的な東西2スパンの躯体と、外壁は残すこととし、 中央部を解体し、高層棟を増築した。
結果的には、外壁の7割と躯体の4割を残したことになったようです。

近接する首都高速への安全性確保の観点から、低層部の保存部分と増築部分とを構造的に一体にしたうえで、 高層部を中間層免震によって低層部と縁切りし、免震層のメガトラスを利用して既存躯体の上にオーバーハングする架構形式とした。
これにより、高層棟は、保存した既存躯体に荷重や地震力の負担をかけないようにした。

また、省エネルギーに対する取り組みとしては、高断熱ブラインドの採用をはじめとする断熱性の確保、 自然換気や太陽光発電、人感センサーやLED照明、雨水利用、屋上緑化など、 様々な先進技術を導入して環境性能の向上をはかり、CASBEEのSクラスの認証を得ている。

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