建築作品予想問題(歴史的建築物の改築)

京都芸術センター

設計者 (株)佐藤総合計画
所在地 京都府京都市中京区
施設概要 閉校となった明倫小学校を、改築し保存活用することで、芸術センターに転身
受賞履歴 公共建築賞 特別賞(2006年)
BELCA賞(2002年)
重要キーワード 閉校となった明倫小学校を改築、さまざまな分野の芸術が出会い新たなものを生み出す場



この京都芸術センターの前身は、明治2年(1869)開校の明倫小学校(当時下京第三番組小学校)で、日本で一番古く開校した小学校の一つです。
昭和6年(1931)に鉄筋コンクリート造の校舎に建て替えられました。
延床面積5000m²を超える近代的な小学校は、当時東洋一の小学校という謳い文句がついていたそうです。
特に関東大震災の後の昭和初期に建てられた鉄筋コンクリート造の建物は、耐震性能を上げるために強固な構造をとっています。

京都芸術センターは、そんな閉校となった明倫小学校を改築し、保存再生した事例となります。

この立派な小学校も学校の統廃合により平成7年(1995)に閉校しました。その後、住民の要望などもあり、保存活用されることになりました。
明倫小学校の建築としての価値を損なうことなく新しい機能に転化していくためには、どのような機能を選ぶかが重要でしょう。
京都という日本で一番蓄積された伝統文化を持つ地ゆえの活用が計画されました。
それは、伝統文化を現代に活かしつつ、美術・音楽・ダンス・演劇など、さまざまな分野の芸術が出会い新たなものを生み出す場として、さらにその成果を生活や技術、産業へとつなぐことで一層豊かな都市を再生させる場として構想されたのです。

明倫小学校には教室や講堂の他、大広間や和室など質の高い近代和風空間があります。
その部屋ごとの特徴を生かしつつ、ギャラリー、図書室、制作室、ワークショップルーム、フリースペース、講堂、大広間、和室、喫茶室などに活用されています。
延床面積5209m²、西に本館(地下1階、地上2階)、南校舎(3階、一部4階)と北校舎(3階)のコの字型の構成です。
窓を埋めて構造補強をしたり、エレベーターや空調設備を追加して現代的機能を充足させています。改造は極力控えめにしてオリジナルの持ち味を失わないようにしています。

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