一級建築士製図の外構のスピードアップ作図法

第6段階 外構を早く作図するテクニック

第6段階で、いよいよ外構を書いていきます。 外構というのは、「駐車場」「駐輪場」「広場」「目地」「最低限の植栽表現」のことです。
ここは10分以内を目標としましょう。


駐車場に車は必須ではない

「駐車場に車は必須ではない」という言葉を聞いて話が通じるのは、総合資格に通う生徒だけだろう。
実は、総合資格の解答例には、必ず駐車スペースに車の表記を台数分書いてある。
この車を描かずに総合資格で課題提出すると、講師によっては、次回から書くように赤書き指導される。
日建学院やTACでこの車を描くことはない。もちろん国交省が示す標準解答例にも 車の表記はない。
そんな感じなので、製図試験の採点において、車の表記がなくて減点される可能性は皆無である。
効果があるとすれば、作図密度が上がることによる図面印象のアップぐらいでしょうか。
そんなものなので、駐車場の車は、この第6段階では書かず、最後の最後 時間が余った時に書きましょう。
台数分のスペースが確保されていることが採点者に伝わるよう日建学院の書き方が良いと思います。
総合資格の生徒からしたら、驚きの事実で、車を描かないことも裏技のように感じるでしょう。

駐輪場は1台毎のスペース表記は必須ではない

駐車場と同様、総合資格の駐輪場の表現はにぎやかで作図時間が取られます。
指定された台数分が停められればいいのです。例えば、駐輪場30台分と指定されれば、1台0.5m×2m確保が必要なので、15m×2mのスペースを駐輪スペースとし、その前面に2mの通路を確保し、合わせて15m×4mのスペースを確保しておけば大丈夫です。
これも日建学院の書き方を参考にすれば大丈夫です。
時間に余裕があれば、余った時間で総合資格の書き方に変更すればよいでしょう。総合資格の書き方の方が印象は良いですが、大きな加点はないものと想像しています。

駐車台数は明記する

要求図書の中で、図面に駐車台数を明記するよう書かれることが多いと思いますが、その要求がなかったとしても、 駐車場の駐車台数と、駐輪場の駐輪台数は、はっきり記載した方がよいです。
駐車場や駐輪場のスペースが確保されていないというのは、総合資格や日建学院の採点基準では、大減点でランク?直行レベルの内容です。
おそらく、試験元の採点基準でも大きな減点が予想されます。
総合資格方式の駐車場と駐輪場の書き方であれば、はっきりと停められる台数が確保できていることが分かりやすいですが、駐車場や駐輪場が1ヶ所にまとまっていないケースは、採点者の早とちりで、駐車スペースが足りていないと勘違いされてしまう可能性は否定できません。
そんな誤解を招かないためにも、普段から駐車台数は、はっきりと図面に表記しておく癖をつけておきましょう。

広場は精度高く

地上の広場、屋上の広場、どちらにしても、常に最重要な空間だと思ってください。 設置階、面積、円指定などは、エスキスでちゃんと計画できていると思いますが、この第6段階での作図においては、植栽の配置やボリューム、テーブルや椅子などの配置にも気を配ってください。 この広場がどのような目的で誰が使う空間なのかを常に意識して作図してください。
このような話は、エスキスでは強く意識しますが、作図にはいってしまうと、完全に意識から遠のいてしまいます。
例えば、植栽のボリューム感で、その空間がプライベート空間なのか、オープン空間なのか 変わってきます。もしその課題で、近くを通りかかる地域住民に気軽に立ち寄ってほしい空間だったとすれば、植栽まみれで中が見えない広場はいかがなものかと。。。逆に、建物の利用者だけがくつろぐ為にある広場であれば、外部からの視線を隠すために植栽祭りにするべきでしょう。
また、テーブルや椅子についても、食事やカフェの空間として利用されるものであれば、それなりの席数を準備する必要があるし、机もそれなりの大きさにするべきでしょう。 日光浴をする目的であれば、日光が当たるところに、寝そべるタイプの椅子を表現すべきでしょう。 もしそれらの配慮が採点者に伝わらないかも。と感じたら、積極的に、補足として文字の記入もするべきでしょう。
作図していると、そんな配慮も忘れてしまうので、できればエスキスで広場の使われ方については内容はよく考えて、エスキスにもメモしておくとよいでしょう。


広場に書く「上部庇」は書くべき

広場に建物からの出入口が必ずあると思いますが、その上部には庇を設けるものと考えてください。
これは、建築的常識のようなもので、出入口に庇がないのは減点になると思います。 地上の広場であれば、2階の平面に庇を表記し、広場には点線で「上部庇」と表記することになります。
2階平面の庇表記だけでいいじゃないか。と思う人もいるかもしれませんが、そう言わず作図のルールと思って書いてください。
特に、最上階の広場については、この「上部庇」の表記がなければ庇があることが採点者に伝わりませんので特に注意が必要です。

目地の効率的な表現方法

第6段階での目地は、簡単な表現を心掛けましょう。
利用者アプローチは、5ミリ方眼の1マス(1m×1m)毎に線を引いて目地を表現してください。
それ以外の部分は、4マス(2m×2m)を1つの単位として目地の線を引いてください。
目地をかっこよく書こうと思ったら、いろいろな手法がありますが、この段階では忘れてください。
もし、時間が余ったら、書き足す形で表現豊かな目地にしてください。

外構の水勾配は必須

利用者アプローチの目地の表現をするときに、忘れてはならないものが「水勾配」の表現です。
断面図でFLのレベルをGL+100ミリなど、GLよりも少し高い設定とすると思いますが、そうすると、この100ミリの段差の処理を利用者アプローチなど、出入口がある外構部分では必ず必要になってきます。
この段差の処理は、スロープで解消することも考えられますが、段差が大きくなったり、課題に指定がない限り「水勾配」という作図表現だけで段差処理が正しくされていると採点者に伝わります。「水勾配」を忘れると、段差の処理が正しくされていない(=バリアフリーの配慮不足)ということで、減点される可能性があります。


ゴミ置き場の書き忘れ注意

ゴミ置き場は、課題に要求がなかったとしても、必ず記載すべきものと考えてください。 指定がなくても便所は各階に設けることと一緒のレベルです。
屋内にゴミ庫があれば、外にゴミ置き場は不要と、総合資格の講師に言われたことがありますが、それでも外構にもあった方が良いと考えています。
屋内と屋外のどちらかにあれば、減点はないと思いますが、外構にゴミ置き場が全くないのって、おかしい気もするし、採点者に屋内のごみ庫を見逃されても嫌ですし。。。

植栽は最低限の表現とする

植栽は、この段階では、植栽がここにあることが分かる程度で表現してください。
他の項目と同様、最後に、表現豊かにするために継ぎ足していけば良いのです。
植栽の表現力で減点されることはないと思います。 ただし、採点者に植栽と伝わらなければ、使途不明のエリアとということで減点されますので注意してください

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