一級建築士製図 梁伏図のスピードアップ作図法
第4段階では、梁伏図を作成していきます。しかし、近年 梁伏図が出題されない傾向が強いので、真剣に練習するのは、課題発表で梁伏図が出題されたことが確認された後でも良いと思います。
梁伏図は、20分以内を目標としましょう。
梁伏図は、平面図、断面図よりも線種の使い分けを特に求められる図面だと思います。
具体的には、RC壁の断面は太線、それ以外は細線です。
この線種の使い分けができているだけで、梁伏図の見栄えがものすごく良くなります。梁伏図では、とくに意識して線種を意識しましょう。
梁伏図は、平面図や断面図との不整合が起こりやすく、採点者もその辺りを重点的に確認します。
たとえば、階段やEVや吹抜の位置はもちろんのこと、開口(サッシ)の位置なんかも注意が必要です。
浴室や二重床など、スラブを下げるところには、斜線をひいてFL-200 などのレベル差が分かるような表記が必要です。
スラブの段差が生じる部分には小梁を配置しておく必要があります。
この斜線の表記が意外と時間取られるので、もし時間がないときにはフリーハンドで良いと思います。
部材符号の記入は、「G1」「G2」など、同じものをたくさん書く必要があるので、大変時間がとられる作業の1つです。
柱については、問題文に特別な指定がなければ、「特記なき柱はすべてC1とする。」と記載しておけば大丈夫です。
スラブについては、「特記なきスラブはすべてS1とする」で大丈夫です。
これは裏技ですが、総合資格や日建学院でもおなじように言われると思います。
ただし、柱であればC2、スラブであればCS1、CS2などは省略せずに書く必要があるので注意して下さい。
小梁は、RC壁直下や、EVや吹抜周囲に配置することは、みんな気を付けますが、設備の横引き配管、特に排水勾配の配慮が必要な排水経路を考慮した小梁配置をしない人が多いです。
例えば、2階トイレと1階PSの横引き配管の経路上に小梁がこないように小梁の向きや位置を決めておき、図面への補足説明で「排水経路を考慮した小梁の向き」と書いておけば、設備設計の加点が期待できます。
梁伏図には、見下げ図と見上げ図の2つの表現方法があります。
課題文でどちらを求めているのか、要求図書の欄でしっかり確認して下さい。
もし指定がなければ、見下げ図とすれば大丈夫です。
柱とRC壁については実線で書きますが、梁については、見上げ図では実線、見下げ図では破線で書くのが一般的です。
しかし、課題で特別な線種の指定が無い場合は、実線で書いても大丈夫です。
心配であれば、「実際には見えない梁などについても実線で記入するものとする」と書いておけば、採点者に、「よくわかっているな」と逆に好印象です。