一級建築士製図

令和3年(2021年)課題発表

令和3年の一級建築士 設計製図試験の課題が発表されました。


◆課題名
「集合住宅」

◆要求図書

1階平面図・配置図(縮尺1/200)
各階平面図(縮尺1/200)
※各階平面図については、試験問題中に示す設計条件等において指定する。

断面図(縮尺1/200)
面積表
計画の要点等

(注) 建築基準法令等に適合した建築物の計画(採光、建蔽率、容積率、高さの制限、延焼のおそれのある部分、防火区画、避難施設 等)とする。

◆建築物の計画に当たっての留意事項

  • 敷地の周辺環境に配慮して計画する。
  • バリアフリー、省エネルギー、セキュリティ等に配慮して計画する。
  • 各要求室を適切にゾーニングし、明快な動線計画とする。
  • 建築物全体が、構造耐力上、安全であるとともに、経済性に配慮して計画する。
  • 構造種別に応じた架構形式及びスパン割りを適切に計画するとともに、適切な断面寸法の部材を計画する。
  • 空気調和設備、給排水衛生設備、電気設備、昇降機設備等を適切に計画する。
◆注意事項
「試験問題」及び上記の「建築物の計画に当たっての留意事項」を十分に理解したうえで、「設計製図の試験」に臨むようにしてください。 なお、建築基準法令や要求図書、主要な要求室等の計画等の設計与条件に対して解答内容が不十分な場合には、「設計条件・要求図面等に対する重大な不適合」等と判断されます。


過去の類似課題

過去の主な類似課題は次のとおりです。
直近では平成27年(2015年)に出題されている「市街地に建つデイサービス付き高齢者向け集合住宅(基礎免震構造を採用した建築物である。)」関連としては6年ぶりの出題となります。
この課題の出題背景として、近年 40~50年ほど前に建てた集合住宅の建替えが急速に進んでいることや、集合住宅に関する欠陥や施工不備による社会問題が多く取りざたされていることが挙げられる。

平成27年「市街地に建つデイサービス付き高齢者向け集合住宅」
平成18年「市街地に建つ診療所等のある集合住宅」
平成13年「集合住宅と店舗からなる複合施設」
平成11年「高齢者施設を併設した集合住宅」
平成5年「メゾネット住戸のある集合住宅」

「階数」の指定がない

今年の要求図書には、「※各階平面図については、試験問題中に示す設計条件等において指定します。」という記載になっています。
これは、去年に引き続いての内容で、しばらくはこのトレンドが続くのでしょうか。
2年前までの試験は、ゾーニングタイプなのか、基準階タイプなのかは、課題発表時点ではっきりしてました。
今年は、3階建かもしれないし、5~7階建のような基準階タイプかもしれない。
昨年は、結局 3階建でしたが、勉強するときには、5階建~7階建の対策も必要でした。
今年も、どちらがくるか予想できないので、どちらでも対応できるように準備を進める必要がある。
エスキスの手法としては、基準階タイプとゾーニングタイプとでは、若干違うので、今年のエスキスの訓練は負担が増えそうです。
でも、あえて予想するなら、基準階タイプで7階建のような高さで、高さ制限に注意が必要な問題が出題されるのではないかと思います。あくまで個人的な予想ですが。

どんな集合住宅が出題されるのか?

今年の課題「集合住宅」は、多種多様です。
集合住宅といっても、片廊下型、階段室型、中廊下型、ツインコリドール型、コア型、ボイド型など、さまざまです。
出題される課題によって、どの形式を採用するか考える必要があります。
今年の集合住宅の課題は、ここで選択を誤ると、致命的になると言えます。
また、片廊下型でも、I字型、L字型、コ字型など、変形して納める方法もあります。
また、住戸のパターンもさまざまです。
たとえば、単身1世帯向けなのか、ファミリー向けなのかによっても、内部の室構成が変わってきます。
要求室も、1LDK、2LDK、3LDKなど、さまざまなものの室を納めるパターンを、あらかじめ、頭に入れておく必要があります。
特に、間口5m、6m、7mなど、いろいろなパターンで室を納める術を身につけておくと、当日 エスキスが楽になります。
他にも、通常は平面的な住戸になるかと思いますが、1~2階だけはメゾネットを指定してくるなども考えられるので、 メゾネットのパターンも練習しておいた方が良いでしょう。そうなったら階段たくさん描かないといけないから大変ですね。
また、おそらく1~2階についは、レストラン、カフェ、店舗、集会室なんかもありえるでしょう。
たとえば、地域住民が集うコミュニティー集会所を併設するとか、収益性を重視した店舗とか。
また、そうなれば、住民の駐車場と、店舗の駐車場の配置計画なども重要になってきます。
駐車場と言えば、1階をピロティにして駐車場にしたり、地下駐車場となったりすることも想定が必要ですね。
また、駐輪場は、少なくとも住民用に、そこそこの広さのものが必要になり、どこに配置を要求されるか分からないので、 いろいろなパターンを想定する必要がありますね。
最近の集合住宅は、屋内に駐輪場を計画することが多いと思いますので、その可能性が高いですが、 そうだとしても、その配置計画はエスキスで重要になってきますね。



高さと面積に注意

今年の事前発表の要求図書の最後に、下記の記述があります。

「(注) 建築基準法令等に適合した建築物の計画(採光、建蔽率、容積率、高さの制限、延焼のおそれのある部分、防火区画、避難施設 等)とする。」

高さ制限は、具体的には、「絶対高さ制限(高さの限度10mまたは12m)」の他、 「道路斜線」「隣地斜線」「北側斜線」など、用途地域別に規定があるので、出題される用途地域に合わせた高さ計算が必要になります。
高さ制限にひっかかると、ランク4になる可能性が高いので、細心の注意が必要です。

もう一つは、「建蔽率、容積率」です。
ランク4というのは、設計条件・要求図面等に対する重大な不適合 があるとして、 他がどれだけ良くても、不合格という結果です。
もしかして、今年の問題は、延床面積の最大値は示されず、建ぺい率と容積率で建物ボリュームを決めるような問題になる可能性も秘めています。

製図スピード2時間30分を目指せ

今年も、梁伏図の出題はなく、3平面プラス断面図でしたね。
一般的には、梁伏図は15分~20分ですぐに描けるようになるので今年学科合格した初受験の人にもすぐ対応できることと、 直近では梁伏図が出題されていないことから、既受験生の方が有利な課題条件ですね。
3平面ですから、初受験生は、まず作図力強化に時間を取られるでしょう。
まずは8月中に、作図トレース3時間を目指しましょう
既受験生は、2時間30分を目指しましょう
本番は、今までにない作図を求められたり、いつもよりも丁寧に描いてしまうため、プラス10分~20分かかると思った方が良いです。

「集合住宅」の建築物を見学する

まずは、実在する集合住宅はどのような計画になっているか、調べるところから始めると良いでしょう。
たとえば、建築資料の本を買って読むのがいいですね。
おそらく、毎年のことですが売切れになっているかと思うので、電子書籍(Kindle版)であれば、売切れはなく、すぐダウンロードして読めるので便利です。

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建築思潮研究所が出版している建築設計資料という本が有名でしょう。
おすすめの見学したい建築物がありましたら、ここで改めて紹介したいと思います。
でも、初受験の人は、このあたりの本を読むより、作図スピードを今のうちに磨くことの方が有意義な気がします

こだわりの製図道具を揃える

まだ製図道具を今から買うという人は、買いに行く手間がもったいない。
どの道具を買うか迷う時間ももったいない。
Amazonや楽天市場などのネットショップで買ってしまうのがオススメです。

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