一級建築士製図エスキスで空間構成を把握する
このページでは、エスキスの手順(5)として、エスキス用紙に簡単な階構成の図示を行い条件整理することで空間構成を把握することを学びます。
空間構成に大きく関わる内容をこの段階で整理しておくと、この後の階振り分けの作業が効率化されます。
この段階での階構成に関する条件整理は、課題文から読み取れる空間構成に大きく関わる内容です。
その内容とは、「上部吹抜の大空間」「吹抜」「屋上庭園等の外部施設」「屋根形状」「階高」です。
屋根形状と階高は、この段階ではっきりしない場合は気にせず進めます。
エスキス用紙に、1層が1マスとなるように、課題文から読み取れる階構成を簡単に図示します。
下図の例では、課題文の「多目的ホール」が、2階設置指定となっており、天井高5m以上なのと、
3階床レベルに日照を確保した「屋上庭園」が指定されています。
もし吹抜指定があれば書き加えますが今回の課題ではないので描きません。
また、屋根形状も課題文には指定がないので、ノーマルなフラット屋根としておきます。
もし勾配屋根の指定がある場合は、勾配屋根の絵にしておきましょう。
階高は、基本4mで、天井高指定により4.5mや5mを採用してもOKです。
大空間とは、上部吹抜として2層にわたる室のことで、空間構成に与える影響は大きいので、注意が必要です。
もし3階建の1階に中央の柱を抜いた大空間を配置する想定となった場合、大空間上部の3階床レベルには、PC梁や鉄骨梁が配置されることになります。
このPC梁を使用する大空間上部の3階床レベルに、室を配置して良いのかどうなのかは迷うところだと思います。
結論は、大空間上部の室配置は、配置してOKです。
ただし、PC梁の上に柱が載る岡柱はNGなので、大空間の上に配置する室は、同じ大きさで同じ形状の室を配置するか、屋上庭園が望ましいですが、岡柱が配置されなければOKなのでこだわらなくても良いです。
課題文に吹抜の大きさを指定されていれば迷うことはないですが、
たまに「大きさの指定がない吹抜」というのもあります。
大きさの目安は1グリット(40~50㎡)ぐらいで考えておくのが良いです。
また、3層吹抜の指定がない場合、無理に3層吹抜にする必要はありません。
3層吹抜とすると、自然採光や自然通風は十分確保でき、パッシブデザインとしては優秀なプランとなります。
しかし、プランニングはかなり厳しくなり時間的制約がある中でリスクが高まります。
さらに、竪穴区画のことも追加で検討する必要があり図面にも表現が必要となるので、
指定がないのに3層吹抜としていまうと、自分で減点要素を増やすことになります。
いかがでしたか?
このページでは、エスキスの手順(5)として、エスキス用紙に簡単な階構成の図示を行い条件整理することで空間構成を把握することを学びました。
明日から実践してみましょう。