一級建築士製図エスキスの適宜面積の求め方マニュアル
手順(6)では、所要室の面積が「適宜」となっている部屋に対して、
どれだけの面積を想定するかを決める作業を行います。
人数、席数や指定された展示物などから、必要なスペースを確保する必要がありますが、
精度が高いに越したことはないですが、適宜面積にあまり神経質にならないことが大切です。
所詮 、適宜です。
面積を決める基準となるものは、主に3つあります。
「人数、席数」「有効スペース」「芯々寸法」の3つです。
これらの情報からその室に確保すべき大きさを想定します。
想定した部屋の大きさは、下図の通り、問題文の「適宜」と記載があるところに赤ペンで書きます。
人数、席数から必要な室の大きさを想定しますが、これは、その年の課題によって違うので注意してください。
例えば、小規模なレストランは、1.5~2.0㎡/人ぐらいで想定しておけば良いですが、
リゾートホテルのレストランや結婚式場の2次会をするようなレストランは、3㎡/人は欲しいです。
予備校に通えば、しつこいくらいに指導される内容なので、そのときにしっかり勉強してください。
しかし、その教えられた数字を忘れちゃった場合は、2.0㎡/人で想定してください。
それでもスペースが確保できなければ、1.5㎡/人でもなんとかなります。
しょせん適宜です。常識外れの大きさになったら減点はされるでしょうが小さい減点だと思います。
確保するべきスペースが指定されて室面積を設定します。
例を挙げると
「直径10mの円が1つ入るスペース」は、柱芯ベースで考えたら柱型があるので、
芯々では11m×11m以上の大きさが必要です。
同じく、「有効スペース8m×8m」も9m×9m以上が必要です。
さらに、その要求室にステージ等 別の要求がある場合は、
ステージを除いたスペースで、必要スペースを確保する必要があるので注意しましょう。
心々寸法を指定されて室を計画します。
例を挙げると
いくつかのスペースや室を要求して一つの要求室となっている場合がよくあります。
例えば下記のような感じです。
この要求室から、どれくらいのスペースが必要か想像できますか?
普通はチンプンカンプンだと思います。
このようなスペースが要求された場合は、下図のように、ある程度レイアウトを想像して
このタイミングで、エスキス用紙に描きとめておくことが必要です。
この場合だと、4グリットで約200㎡を想定しておけばよいでしょう。
いかがでしたか?
このページでは、エスキスの手順(6)として、所要室の面積が「適宜」となっている部屋に対して、
どれだけの面積を想定するかを決める作業を学びました。
ここでの作業は、あくまでボリューム把握が目的です。
細かい寸法を追いかけて時間が浪費しないように注意しましょう。