1級建築士 製図のプランニングの基本 室内空間
室内空間の検討項目としては、室形状(整形、不整形)や柱有無や天井高などが挙げられる。 すべて整形だったり無柱空間であるのが良いのは分ると思いますが、実際の1級建築士の試験においては、それが難しい場面が出てきます。 その部屋の使われ方など、利用者の立場に立って設計できるかどうかが肝になりますが、ポイントをいくつか紹介したいと思います。
空間全体を一体で利用する 会議室、集会室、教室、多目的ホール、研修室、遊戯室、体育室などにおいては、室形状を整形にすることが望ましく、これらの部屋を不整形にすると減点となる可能性が高いです。
また、短辺と長辺の比率はおよそ1:2までとし、それ以上細長い形状だと使いにくい室形状となり、減点の可能性があります。
しかし、レストラン、ラウンジ、喫茶店、ショールーム、店舗など、テーブルやイスを置いて、そのテーブルごとで小さなまとまりで利用するような部屋については、L型など不整形な室形状でも問題ありません。 1級建築士のプランニングにおいて、すべて整形の室形状にすることができるとは限りません。 どこかの部屋を不整形にしないとプランニングがまとまらないというケースにおいては、この基準で不整形にする部屋を選んでください。
1級建築士の試験において、必ずと言っていいほど大空間の部屋が1つや2つ出題されます。 その部屋を無柱空間としないといけないのか、有柱空間でもよいのかは、課題文に従えばよいのですが、課題文に指定せず、受験者の常識を問うことも考えられます。 そんなときは、さきほどの室形状と同様、空間全体を一体で利用する部屋の場合は無柱空間、そうでない場合は有柱空間でも問題ないと判断しましょう。
天井高については、基本的には課題文に従うことになりますが、1級建築士の試験において気を付けることとしては、設備設計を意識した天井高設定とすることです。 具体的にいうと、空冷ヒートポンプパッケージユニット天井カセット型の場合、梁下から天井面までの最小寸法は100mm以上確保すればよいので、階高を4mとすると、天井高を3mとすることができます。 しかし、それを単一ダクト方式では、梁下から天井面までをダクト用に500mm以上確保する必要があり、天井高を3mとするとダクトが狭くて通らないということになってしまい減点対象となります。
また、実務の設計においても、利用者のメイン空間の天井高は、ギリギリまで天井高を高く設定して、トイレや廊下などは低くすることは多いと思います。 1級建築士の試験においては、そこまでは求められておらず、すべて同じ天井高で問題ありませんが、トイレや廊下だけ若干天井高を抑えて、メリハリをつけると採点官の目にとまります。 「お!分ってるな!」 という印象は与えられることができます。