一級建築士設計製図プランニングの基本 動線計画

プランニングの基本 動線計画

動線計画とは、人の流れのことで、主に「利用者の動線」と「管理者の動線」があります。

一級建築士設計製図試験の採点基準は公表されていませんが、総合資格、日建学院の独自採点基準では、どちらの学校も、この動線計画の減点は大きく、1つ動線計画を間違っただけで、ほとんどの場合、ランクⅡ以下になります

そのため、動線計画については、確実に問題ないことを確認してプランニングを進める必要があります。
特に、独学者や1度不合格になって、なぜ不合格なのか分からない人は、ぜひこのページで学んでください。



利用者と管理者の交差はNG

利用者の動線と管理者の動線は、交差してはダメです。
動線計画で一番基本的な内容ですが、意外と出来ていない人が多いのも事実です。

よくあるのが、2階とか3階に厨房で作った料理を運ぶケースです。
利用者が行き交う廊下を、料理を持った調理人が歩いてきたら嫌ですよね。これだけでランク2以下直行の大減点です。
1階は、管理者ゾーンと利用者ゾーンをきれいにゾーニング出来る人が多いですが、2階3階が出来ていない人が多いです。

管理者は複数の種類がある

管理者というのは、建物の管理者とは別に、レストランの管理者等、別の種類(別会社)の人が混じっている可能性が高いです。
例えば、スポーツ系の課題の場合、インストラクターも管理者の存在になります。
一級建築士設計製図試験においては、「建物の管理者」「レストランの管理者」「所要室の管理者」それぞれ別のキャラクターですが、更衣室や便所などは共通でも大丈夫です。
しかし、これらのキャラクターが別であることを意識して、レストラン厨房に職員便所や更衣スペースがあったりすると、「良く分かっているな」という印象を与えることができます。

廊下はまっすぐ

平面計画で、廊下がまっすぐな建物は、合理的で利用しやすい。
シンプルな形状な廊下は、先が見通せるため、安全な避難経路としても評価が高くなる。

廊下がどうしてもまっすぐにならない人は、先に部屋の配置を全部決めてから廊下を作っている人が多いです。
コアと大部屋の位置を想定した後は、廊下をまっすぐになるように位置を決めちゃって下さい。
細かい部屋の配置を決める前に廊下を決めるのが廊下をまっすぐに計画するポイントです



多人数利用の室はホール近く

室の配置は、エレベーターホールに近いほど、多人数利用の部屋を配置してください。
逆に、エレベーターホールから遠い部屋は、特定の人が利用するパブリック性が低い用途の室を配置してください。

どうしても、大人数が利用する部屋が奥に追いやられた場合、廊下はまっすぐとしてください。
そして、可能なら部屋の前に「人溜まり空間(ホワイエ)」を計画してください。

駐車場からの動線

駐車場や駐輪場からエントランスまでの動線も重要です。
特に、車椅子使用者用駐車場は、バリアフリーに配慮して主出入口に近接させてください。

意外と忘れがちなのが駐輪場から主出入口までの利用者動線です。
駐輪場を奥の方に計画して、サービス用駐車場を横切らないと主出入口に行けないような計画はNGです。

まとめ

いかがでしたか?
プランニングの基本である動線計画は分かりましたか?
もし、本番で動線計画が不安になったら、エスキスの途中で、実際に利用者の立場にたって、駐車場に入るところから各室に行くところまでを想像で歩いてみてください。
普段からそのような習慣があると、自然と動線計画が体にしみつきますよ。

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